先輩からのメッセージ


ペットボトルを包み込むカラフルなシュリンクラベル。そのベースとなる熱収縮性フィルムの評価から製品確立に至るまでトータルに対応するのが私の仕事です。具体的には、フィルムメーカーと何度も打合せを行いながら、新規フィルムの物性を評価・検討。その後、当社工場で検証を繰り返し、作成したサンプルを基に仕様を確立していきます。ここに至るプロセスも試行錯誤の連続なのですが、本当に大変なのはここから。前例のない新規フィルムの場合、当社工場で何の問題点がなくても、お客さまの工場でサンプルを検証したとたん、予期せぬトラブルに巻き込まれるケースがあるのです。同じ装着機でも特性が微妙に異なる上、フィルムの厚みや収縮率の違いによる微調整も一筋縄ではいきません。私自身はフィルムのプロという位置づけですが、機械の専門家であるフジアステックのエンジニアと協力しながら、商品立ち上げのすべてに関われる点に仕事の魅力を感じています。
「ヤル気があれば年齢に関係なく、若手にもどんどん仕事を任せてもらえる環境が揃っています。とにかくチャレンジ精神を大切にしている会社ですね」と語る保坂自身、入社してから今日までチャレンジの連続だ。
この仕事の醍醐味は、お客さまとコミュニケーションを密に交わし、同じ目線に立って新製品を開発していけること。手がけたものがコンビニなどの店頭に並べられ、最終的に一般消費者の皆さんの手に渡るのですから、仕事を通して得られる手応えと喜びは大きいです。実は入社1年目の仕事は試作サンプルの作成がメインでした。これはラベル設計の基本となりますから、当時の体験は今でも大いに役立っているのですが、私としてはお客さまと接する機会の多い仕事を希望していました。そして念願叶って2年目には、新規フィルムの立ち上げ全般に関わる仕事にチャレンジ。新人でも熱意が通じたのはすごく嬉しかったですね。しかし振り返ってみると、これは私にとっての小さな挑戦に過ぎませんでした。早々に想定外の大きなテーマが与えられ、新たな挑戦が始まったのです。それが環境負荷の少ない「バイオマスラベル」への取り組みでした。

「バイオマスラベル」は、トウモロコシを主原料としているため、二酸化炭素の削減に貢献するという、まさに地球に優しい素材。私は2年目の新人ながら、前任者からの引継ぎによって、このテーマと向き合うことになったのです。当時、清涼飲料水のシュリンクラベルとして「バイオマスラベル」を採用しているメーカーは1社もありませんでした。そのため、早く成功すれば“業界初の取り組み”となるので、話題性も十分。自ら望んだポジションとはいえ、周囲からの期待が大きいだけにプレッシャーもたっぷりでした。苦労したのはお客さまの工場で本生産に移行する段階。従来のフィルムとは物性が大きく異なるため、シュリンクする際の熱調整を何度やっても上手くいかないのです。朝から夜中まで調整に明け暮れた時期もあったのですが、結局、ラベル設計そのものを見直すことに。最終的にはきれいな仕上がりにお客さまからも高評価を得たのですが、先輩やフジアステックの皆さんには本当に助けられました。苦労した分、少しは成長したなと思いたいですね。

大手飲料メーカーでの「バイオマスラベル」の導入に成功した結果、翌年には別の大手飲料メーカーから同様の依頼を受けることになりました。お客さまが違えば、厚みを薄くするための技術対応など、新たにチャレンジすべきテーマはいくらでも出てきます。実は新人の頃、営業担当者から難しい注文を受けると、最初からサジを投げそうになったこともありました。しかし、経験を重ねるごとに本当の意味での創造は、仕事に対する半端じゃない熱意から生まれてくると感じるようになりました。この仕事を選んだ以上は、今までなかった技術で人を感動させられるような商品を生み出したいです。



